ミシガン大学教授で感情コントロール学の第一人者であるイーサン・クロス博士(Ethan Kross)はその著書『Shift: Managing Your Emotions–So They Don’t Manage You』(シフト:あなたの感情を管理する、感情があなたを管理するのではなく)で、感情をいかにうまく自分の望ましい状態にシフトさせていくかについて、様々な方法を述べています。
その方法の一つとして「Create your own rituals」(自分独自の儀式を作る)があります。
Ritual(リチュアル)とは日本語では儀式、慣習、習慣になります。
- 食事後に歯を磨く。
- 朝起きたら窓を開ける。
- 土曜日の朝は洗濯をする。
など、自分の生活の中で根付いている慣習をリチュアルと呼びます。
このリチュアルを、感情をコントロールするために、意識的に作って定着させてみましょう。
自分の感情を落ち着ける、気持ちを和やかにするためにこうするという行動を作って、それを儀式として定着させるのです。
例えば、夜寝る前に、その日のイライラやモヤモヤをすっきりさせるために、
- キャンドルを灯す
- 好きな詩を読む
- ジャーナリングをしてその日の出来事を文字に書き出す
- 10分瞑想をする
- 肩こりをほぐすストレッチをする
- クラシックの名曲を聴く
などの儀式を行います。(全部行う必要はありません。一つでも複数でもOKです)
寝る前にこれをすると気持ちが落ち着くという行動を儀式化させるのです。
そうすると、この儀式を行えば気持ちが落ち着くという関係性が自分の中に築かれます。
どんなに腹ただしい夜も、悲しくて落ち込んだ夜も、この儀式を崩さないようにします。儀式を崩さないことで、自分の気持ちを落ち着かせることができるのです。
辛いこと、悲しいこと、怒りを覚えることがあった日こそ、毎日の儀式を崩さないようにしましょう。自分で作ったリチュアルを守るようにしましょう。
そのことによって、自分で自分をコントロールしているという満足感と、少なくともこれはやったという生産性を感じることによる自己肯定感を味わうことができるのです。
毎日の中に、自分なりのリチュアル、儀式を作り、それをキープするようにしていきましょう。それが感情のコントロールに繋がります。
※Ethan Kross著『Shift: Managing Your Emotions–So They Don’t Manage You』を参考にしています。