ミシガン大学教授で感情コントロール学の第一人者でるイーサン・クロス博士(Ethan Kross)はその著書『Shift: Managing Your Emotions–So They Don’t Manage You』(シフト:あなたの感情を管理する、感情があなたを管理するのではなく)で、感情をいかにうまく自分の望ましい状態にシフトさせていくかについて、様々な方法を述べています。
その方法の一つとして前回「場所を変えること」を紹介しましたが、そのバリエーションで「エモーショナル・オアシスを持つ」ことも試してみましょう。
エモーショナル・オアシスとは、そこに行けば感情が穏やかになる、フラットになるというお気に入りの場所です。パブロフの犬的に、その場所に行くと、激しい感情が静かになるのだと心と脳に覚えさせましょう。
怒り、悲しみ、自己嫌悪、嫉妬、不安などのネガティブな感情に襲われたら「とにかくエモーショナル・オアシスに行こう」と、感情が湧き上がった場所をなるべく早く去るのです。
エモーショナル・オアシスとなる場所の候補としては、一人で静かにいられる場所、安心感がある場所、没入感を感じられる場所になります。
- 自宅の自分の部屋あるいは特定のスペース(お風呂やベランダなど)
- カフェ
- 公園や森など緑に囲まれた場所
- 図書館
- 海や湖や川など水関連の風景を楽しめる場所
- (近くにあるならば)灯台
- 神社やお寺
自分の波立った感情が落ち着いたという経験のある場所ならどこでもよいのですが、なるべく近所で、あまりコストがかからず繰り返し訪れることが可能な場所を選びましょう。
ネガティブな感情に囚われたら「エモーショナル・オアシスに行こう。行けば大丈夫」と自分に刷り込みます。エモーショナル・オアシスがあるという安心感が、ネガティブな感情の沼に沈んでいくのを防いでくれます。
※Ethan Kross著『Shift: Managing Your Emotions–So They Don’t Manage You』を参考にしています。