オフィス・ライトハウス
ポジティブ心理学実践ワーク
習慣作り

心理学を活用して健康なライフスタイルを築く➂  環境を変えてみよう

レジリエンスを培う重要な要素である健康。健康とは食事、運動、睡眠の3要素から成り立ちます。健康3要素を整えるためにポジティブ心理学を応用してみましょう。

「〇〇した方が健康によい」とわかっていても、その逆の行動を取ってしまうことがありますよね。

  • 運動した方がよいとわかっていても疲れて帰宅しついテレビを見ながらソファに横になりカウチポテトになった。
  • 禁煙しようと思ったけれど、友人が喫煙しているのを見て我慢できなくなり、一日で挫折してまたタバコに手を出してしまった。
  • お菓子を食べるのを止めようと思ったけれど、イライラしてついクッキーを1枚食べてしまい、止まらなくなってしまった。

健康に有害だとわかっているけれど、長年の習慣になっている事を変えられず、あるいは衝動的に、「〇〇した方がよい」と反対の行動を取ってしまう状況はよくあります。

自分の感情や衝動、長年の習慣をすぐに変える事は難しいので、自分の周りの状況、すなわち環境を変えていきましょう。

アメリカの調査ですが、「なぜジャンクフードを食べてしまうのか?」という理由の調査結果があります。

  1. 他の食べ物や料理に比べ便利ですぐ食べられるから。
  2. ジャンクフードを食べる事が好き。
  3. 広告を見聞きして刺激されるから。
  4. 値段が安い。
  5. どの食品が健康によいのか知らない。

となり、第1位は「便利ですぐ食べられるから」なのです。

ですからジャンクフードの場合「すぐ食べられない」環境を作ることは、食べる事を止める、あるいは食べる量を減らすことに効果的です。これはジャンクフードに限らず、健康に悪影響を与える食べ物・飲み物に共通していえます。

具体的にどのように環境を変えていったらよいでしょうか?

刺激をコントロールする

①家の中に健康によくない食べ物を置かない。

健康によくない食べ物を食べたくなる刺激を極力減らしましょう。家の中にジャンクフードやお菓子など、食べる事をやめたい食品を置かないことです。家の中にそれらの食べ物があれば、どうしてもその事ばかり考えてしまい、手を出しやすくなります。

家の中になければ、それを得るためには外に出て買わなくてはなりません。それが面倒だと思うでしょうし、外出して買う行動に出るまでに「やめたほうがよい」と思うタイミングや時間がたくさんありますので、衝動的に健康によくない食べ物を食べてしまう確率を減らすことができます。

➁ビジュアルをコントロールする。

お酒や煙草やお菓子など止めたいと思っている食べ物のイメージを家の中から追放し、代わりに健康によい食べ物のイメージを家の中に設置しましょう。お酒や煙草を吸っている憧れのスターやアイドルのポスターや写真があったら、それらは剥がして、捨てないまでも、クローゼットの奥の方にでもしまいましょう。

そして、果物色とりどりの野菜をバスケットに盛ってキッチンに置く、フレッシュミントの小さな鉢植えをキッチンに置く、野菜たっぷりの健康的な食事の風景の写真を見える所に貼っておく、健康的でスタイルのよい笑顔の憧れのスターの写真やポスターを貼っておく等、自分が目指している健康的な生活をイメージさせる絵や写真などのビジュアルを目につく所に置きましょう。

テレビやインターネットなどで流れるCM、広告も要注意です。お酒や煙草の広告は年齢制限やデメリットも広告内容に入れなくてはならない規制になっていますが、衝動を止めるには十分ではありません。テレビや動画を流しておくという行為は、無意識に色々な広告を目にしている可能性がありますのでやめましょう。

トリガーを探す

どのような物事が、自分を健康的な生活から遠ざける行動に走らせるのか、そのきっかけ=トリガーを見つけましょう。

  • 疲れるとお菓子を食べる。→疲労がトリガー。
  • ムカッとするとお酒をたくさん飲む。→ムカッとする怒りの感情がトリガー。
  • 愛煙者の友人と飲みにいくとタバコに手を出してしまう。→愛煙者の友人と共に過ごす事がトリガー。

「〇〇がトリガーになって、□□という行動に走る」という自分の行動パターンを把握しましょう。

トリガーのうち、避けることができる事もあります。「愛煙者の友人と共に過ごす事」が喫煙のトリガーになるなら、その友人とはしばらく飲みにいかないことです。禁煙中だからと伝えて、愛煙者の友人というトリガーから遠ざかりましょう。

一方、「疲労」「怒りの感情」がトリガーになっている場合は避けようとしてもなかなか難しいでしょう。その場合は、トリガーによって引き起こされる行動の矛先をずらすようにします。

「疲れる→お菓子を食べる」の代わりに
  • 「疲れる→ココアを飲む」(お菓子をココアに変える変換行動)
  • 「疲れる→長風呂に入る」(お菓子を違う行動に変える代替行動)
「怒りの感情→お酒」の代わりに
  • 「怒りの感情→ノンアルコールビールを1缶だけ飲む」(変換行動)
  • 「怒りの感情→走る」(代替行動)

などのようにトリガーから起こす行動を少しだけ変えてみましょう。

このように自分自身を変える前に、自分を取り巻く環境を変えていく事も、健康によい習慣を根付かせていく方法です。

※Yale University「Health behavior change: From evidence to action」の講義を参考にしています。

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