オフィス・ライトハウス
ポジティブ心理学実践ワーク
ネガティブ感情の対処法

落ち込みから立ち直る方法➂リフレーミング

生きていく上で、気分が落ち込み、自分自身に失望したり、自己嫌悪に陥ることは誰にでもあります。落ち込みと人生はセットといってもよいくらいです。
落ち込むこと自体は避けられないとしても、落ち込みから立ち直る方法を身に着けていけば、ダメージを小さくすることができますし、立ち直りも早くなります。回復力を鍛えていくのです。
このシリーズでは、Sue Varma氏の著書『 Practical Optimism: The Art, Science, and Practice of Exceptional Well-Being』を参考に、落ち込みから立ち直る方法を紹介していきましょう。
3つめの方法はリフレーミング(Reframing)、捉え直しです。
リフレーミングは、フレイミングをやり直すという意味で、物事を捉えるアングル、方法を変えること、作り替えることです。
考えの周りを覆う額縁を付け替えるイメージですね。

落ち込んだ時は、自分を責めたり、自己嫌悪に陥ったり、やっぱり自分はダメ人間だとどんどん悪い方に思考が向かっていきがちです。あるいは、他人が悪いという責任転嫁になる場合もあります。
そういう時は多少無理やりにでも、「Learn something」(ラーン・サムシング:何かを学ぶ)精神で、リフレーミングしてみます。
「何が起こったにせよ、私はそこから何かを学ぶことができる」
と自分に言ってみます。そして、そう思い込んでみます。
実際、長い目で見ると、人生で起こったほとんどすべての出来事(たとえそれがとんでもなく悪い出来事であっても)から、何かしら学ぶことはできるのです。

たとえば、Aさんは第一希望に望んでいた会社にも、第二希望であった会社にも就職できず、第三希望の会社にやっと就職できました。しかし、第三希望ですからAさんがやりたいと望んでいた広告会社の企画の仕事ではなく、製造業の中堅クラスの会社の営業アシスタントの仕事でした。就職できたことはよかったとはいえ、Aさんは自分には能力がないとがっくりします。
自分は能力がない→自分は無能だ→自分は価値がない→気分はダメ人間だ→きっとこの先も芽が出ない。
Aさんはだんだん自己否定の悪循環に陥っていきます。

しかし、ここで、無理やりにでも
「何が起こったにせよ、私はそこから何かを学ぶことができる」
と自分に言います。
そして、何を学んだかを考えてみます。多少、無理やりにでも。

  • 自分の今の能力では広告会社の企画の仕事にふさわしくなかったことを学んだ。
  • 自分の今の能力で、営業アシスタントの仕事はできると認められた。

Aさんは2つのことを学ぶことができました。
学ぶことがあったのなら、今回の出来事は決して人生において無駄にはなりません。
失敗に思える出来事も、学びが得られるなら、自分の人生の肥やしになったと、自分に言い聞かせます。

この先、Aさんは営業アシスタントの仕事で認められて昇進できるかもしれませんし、丁寧な仕事ぶりが認められて別の任務を任されるようになるかもしれません。広告関連ではないかもしれませんが、営業関連の企画を任されるようになるかもしれません。

日本語には「転んでもただは起きない」というフレーズがありますが、まさにリフレーミングと同義語です。

失敗などで落ち込んだ時は、多少無理やりにでも、その失敗から学んだことを考えてリフレーミングしてみましょう。
何かを学ぶことができていれば、それは、自分の人生のためになった経験と捉え直しができるのです。

 

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