オフィス・ライトハウス
ポジティブ心理学実践ワーク
ネガティブ感情の対処法

落ち込みから立ち直る方法➁ビッグ・ピクチャー

生きていく上で、気分が落ち込み、自分自身に失望したり、自己嫌悪に陥ることは誰にでもあります。落ち込みと人生はセットといってもよいくらいです。
落ち込むこと自体は避けられないとしても、落ち込みから立ち直る方法を身に着けていけば、ダメージを小さくすることができますし、立ち直りも早くなります。回復力を鍛えていくのです。
このシリーズでは、Sue Varma氏の著書『 Practical Optimism: The Art, Science, and Practice of Exceptional Well-Being』を参考に、落ち込みから立ち直る方法を紹介していきましょう。
2つめの方法はビッグ・ピクチャーを描くことです。
ビッグ・ピクチャー、大きな視野という意味です。

落ち込むような出来事があった時は、その事ばかりに囚われて、視野が狭くなります。
そういう時には、あえてその事から離れて、時間的に大きな視野を持ってみます。
具体的には以下のような視野です。

  • この出来事は1週間後にも自分にとって大きな影響があるだろうか?
  • 1カ月後にはどうだろうか?
  • 半年後にはどうだろうか?
  • 1年後にはどうだろうか?
  • 5年後にはどうだろうか?

たとえばAさんは獲得しようと頑張っていた顧客からの契約を取ることができず、がっかりしました。自分の営業成績に×がつきました。不安になります。契約を取れなかったことで、Aさんの心は一杯になって、他の仕事にもやる気がおきません。

この出来事をビッグ・ピクチャーで捉えてみましょう。

  • 1週間後:契約が取れなかったショックはまだ続いていて、がっくりきていると思う。
  • 1カ月後:契約が取れなかった落胆は続いていると思うけど、さすがに1カ月もすれば他の契約を取ろうと動いていると思う。契約が取れなかったと落胆しているばかりでは、ますます営業成績は悪くなるだろうし。
  • 半年後:半年もする頃には、取れなかった契約よりも、これから取ろうとする別の契約に気を取られているのではないか。
  • 1年後:別の契約が取れていれば、取れなかった契約のことはそれほど気にならなくなっているのではないか。
  • 5年後:5年たったら、今回取れなかった契約のことは忘れているのではないか。取りたい契約は今回だけということではないし。

こう考えてくと、1カ月もすれば、今回の契約が取れなかった落胆は薄れ、5年も経てば忘れている、あるいは思い出話になっているのではないかと想像できます。
1年も5年も引きずる失敗ではないと思うようになります。

ビッグ・ピクチャーを描く中で、1カ月後、半年後、自分が何をしているか、何をすべきかを想像すると、「他の契約を取ろうとしている」とイメージできます。
それならば、1カ月、半年待つまでもなく、「他の契約を取ろうとしている」自分として行動を起こすこともできます。
もしかすると、今回の契約を獲得できなかった原因の中に、次の契約を取れるヒントがあるかもしれません。

このように失敗や落胆を味わっても、たいていの事は(特に仕事上の事は)やがて薄れていき、次の関心やもっと大事な事にフォーカスは移っていきます
ビッグ・ピクチャーを持って、早めに落ち込みから回復し、次のステージに移っていきましょう。

 

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