オフィス・ライトハウス
ポジティブ心理学実践ワーク
レジリエンス

レジリエンスを鍛えてストレス・マネジメント⑪ エモーショナル・バンク・アカウントを貯めていこう

ストレスの元(ストレッサー)を受けても強いストレス反応を起こさない、あるいはストレス反応を軽減するために、レジリエンスを鍛える事が重要だと説明してきました。

レジリエンスの中身は

  • ダイレクト・レジリエンス・ファクター
  • ライフスタイル・レジリエンス・ファクター

の2つに分けられます。

ライフスタイル・レジリエンス・ファクターとは生活全般、私達の暮らし方によりレジリエンスを鍛える要素であり、健康と社会的繋がりから培われます。

社会的繋がりによるレジリエンスの鍛え方とは、まずは人とコミュニケーションを取ることです。(メールやSNSも含みます)自分以外の人とのコミュニケーションにより、自分の抱えている悩みや苦しみを吐き出すことができますし、他の人からいいアイディアを得ることもできます。また他の人に自分の置かれている状況を理解してもらうこともできます。

ただ人とのコミュニケーションにおいては、自分の感情ばかりを吐露する、自分の感情だけを優先するということがないようにしたいものです。「レジリエンスを鍛えてストレス・マネジメント⑤ 感情の奴隷にならない」で説明したように、自分の感情に振り回されて、他人とのコミュニケーションが自分に有害な結果をもたらす(そしてそれは相手に対してもおそらく同じように有害です)事を避けるようにしましょう。

レジリエンスを鍛えてストレス・マネジメント⑤ 感情の奴隷にならないストレスマネジメント...

そのためにも自分の意見や感情を相手に表すだけでなく、相手のいいたい事、意見、感情も理解するようにしましょう。コミュニケーションは一方通行ではなく、相互方向であってこそ、レジリエンスの要素になります。

「レジリエンスを鍛えてストレス・マネジメント⑥  HURIERモデルの活用」で紹介したようにHURIERを使って、人とのコミュニケーションを深めるようにしましょう。

レジリエンスを鍛えてストレス・マネジメント⑥  HURIERモデルの活用レジリエンス...

加えて、エモーショナル・バンク・アカウント(日本語に訳せば感情貯金)を貯めるようにしましょう。

エモーショナル・バンク・アカウントとは、自分のポジティブな感情、優しい感情の経験を積んで貯めておくことです。信頼や友愛の貯金ともいえます。

エモーショナル・バンク・アカウントを貯めておくことで、自分と相手との関係に一時的に難しい時期や対立があっても、これまで積み重ねてきた信頼や友愛が相手との関係を壊してしまうことから救います。一度か二度口論しても、これまであなたの親切や優しさに相手が感謝していれば、関係にひび割れが入ることはありません。

また、エモーショナル・バンク・アカウントを貯めることで、自分自身が他の人とのコミュニケーションが容易になり、建設的なものになります。

「情けは人のためならず」という日本語の諺がありますが、まさに「情け」は自分自身の役に立つのです。

エモーショナル・バンク・アカウントを貯める方法としては次のような行動があります。

  • 相手が大切だと思っていることをしてあげる。相手が一緒に食事を取ることが大事だと思っているなら一緒に食事をする。
  • 小さな行動で相手への優しさを示す。相手の好きな食べ物を覚えていてプレゼントしたり、同僚に笑顔で挨拶したり、相手が仕事で成功した時には祝福のメールを送って共に祝うなど、小さな行動であなたの相手への気持ちを示しましょう。
  • 約束を守る。〇月〇日までに完成させると約束した仕事、〇時に始めると約束したミーティング。自分が約束した事はきちんと守りましょう。それは相手へのリスペクトでもあります。
  • 相手がどのように考えているか、感じているかを聞いて理解する。アクティブで前向きは対応をしながら、相手の話を聞きましょう。「レジリエンスを身につけるワーク⑱ 喜びを増幅するコミュニケーションが大事。」を参考にしてみて下さい。

 

レジリエンスを身につけるワーク⑱ 喜びを増幅するコミュニケーションが大事。レジリエンスは人との繋がりを感じたり、自分を支えてくれる人達がいることを確認することでも強まります。前回説明したように、自分がいざという...

エモーショナル・バンク・アカウントを貯める事は、相手とのコミュニケーションの質を高め、関係性を深めます。そして相手にとってのあなたの価値も高めます。信頼度も高めます。それが社会的繋がりを強め、あなたのレジリエンスを培っていきます。

仕事でも家庭でも友人関係においても、どこでもエモーショナル・バンク・アカウントは貯めることができ、どの場でも引き出すことができるのです。

※Macquarie University 「Build personal resilience」の講義を参考にしています。

 

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