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ポジティブ心理学実践ワーク
ポジティブ心理学

『Build the life you want』からのメッセージ⑤ あなたの人生を生きなさい。でもあなたの価値観に沿って親の価値観を変えようとするのはやめなさい。

2024年の始めに、アーサー・C・ブルックス氏が、アメリカの超有名司会者オプラ・ウィンフリーと共著で出版した本『Build the life you want』(あなたが望む人生を築きなさい)から、私達の人生の指針になるような言葉の数々を紹介したいと思います。
(注)ここで紹介する訳は私の意訳です。
今回は、親との関係についてのフレーズです。

Live your life, but don’t ask them to change their values.
あなたの人生を生きなさい。でもあなたの価値観に沿って親の価値観を変えようとするのはやめなさい。

日本でも成人した子供と親の価値観や人生観が異なり、衝突して家族関係が上手くいかない例があると思いますが、ブルックス氏によれば、アメリカの家族関係でも価値観や考え方の違いから衝突や批判が起こり、疎遠になる、あるいは常に争いが絶えない親子関係は多いそうです。

成人した子供は自分が親よりも高い教育を受け、広い世界を知り、親のアドバイスや意見が時代遅れで古臭く役に立たないと考えるようになります。そして、親を軽蔑したり、ないがしろにする、あるいは親に反論するということがよくあるそうです。2015年のアメリカの調査では65-75歳の2人以上の成人の子供を持つ母親の11%が、子供のうち少なくとも一人とは疎遠になり交流を完全に断っているという調査結果があるそうです。原因は価値観や考え方、意見の対立です。アメリカでは民主党支持か、共和党支持かという政治的立場の違いも、親子関係に影響することがあるそうです。

親と子でDNAを共有しているといっても、生きてきた時代や背景、環境は異なります。意見や価値観が異なっても当たり前です。
子供は子供自身の価値観を持って、自分自身の人生を生きるべきです。親の価値観に沿った人生を歩む必要はありません。自分で選び取った道を歩んでいくべきです。

しかし、一方で、成人した子供が、自分の価値観に照らして劣っていると思える、あるいは古臭いと思える親の価値観や意見を批判する必要はありません。親は親で、一人の人間として、それぞれの価値観を持っているのです。親と子供の価値観が同じでなければいけないということはありません。子供の価値観の方が高尚だ、レベルが高いと思い、親の価値観を攻撃する必要はありません。ただ、価値観が違う、考え方が異なる、それだけです。
成人した子供が、親の考え方や価値観を無理やり変えようとしたり、自分の価値観に従えさせようとするのはやめましょう。親子間の対立の原因になります。

子供は子供の、親は親の価値観で、それぞれの人生を生きていくのです。そして、たとえ価値観が違っても、関係を断つ、あるいは口論を重ねる必要はありません。違う価値観を持っていても、親子でいつづけることはできますし、疎遠になる必要もないのです。子供は子供の、親は親の、それぞれの人生を生きるだけです。違っているけれども共存できる。これは、親子関係だけでなく、今の世界にとても必要なことだと思います。

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