オフィス・ライトハウス
ポジティブ心理学実践ワーク
仕事に前向きになる方法

交渉をうまく進める心理スキル① BATNA

仕事の上では、苦手な相手や感情的にそりが合わない相手とも、ミーティングしたり、交渉をしなければなりません。あるいは怖い上司とも、仕事の相談や自分のパフォーマンス評価の席で、自分の意見を述べなくてはならないでしょう。
トピックが楽しいものではない時や、自分に苦手意識がある場合、つい感情的になったり、うまく相手に自分の意見や気持ちが伝わらない時があります。
そのような事態を避けるべく、人と交渉する時の基本の心理スキルを身に付けておきましょう。
これらのスキルは、仕事だけでなく、家族や配偶者との話し合いや、様々な業者との交渉でも役に立ちます。

まず、BATNA(バトナ)という、基本スキルを覚えておきましょう。
Best Alternative To Negotiated Agreementの頭文字を取ったものです。自分の望んだ一番を結果を得られればよいのですが、そうでないにしてもセカンドベストの結果は何か、オルタナティブ(代わりの案)を考えておくのです。
「この結果でなければ絶対だめだ」と力むことなく、セカンドベストとしてこういう結果でも自分にとっては素晴らしいという結果も、あらかじめ考えておきます。

例えば、鈴木さんはA社から新しい契約を取ろうとがんばっているとします。今日が最終プレゼンテーションで、自分の提案した契約内容が通るか、結果が出ます。鈴木さんにとってベストの結果は、「自分の提案が通りA社から新しい契約が取れる」ということになるでしょう。

ここで、もう一つ、BATNAも考えておきます。鈴木さんにとって、セカンドベストとなる、もう一つの結果は何だろうか?と考えておきます。「新しい契約が取れなかったとしても、最終プレゼンテーションまで残ることで、自分の顔と名前と提案力をA社のキーパーソンに覚えてもらう」ことをBATNAとして設定します。

最終プレゼンテーションで、たとえ契約獲得に至らなかったとしても、BATNAとして設定した「自分の顔と名前と提案力をA社のキーパーソンに覚えてもらう」という結果を得るために、プレゼンテーションでは自分の名前と能力のアピールをしましょう。そして評価を受ける時に、A社のキーパーソンから「鈴木さん」と名前を呼んでもらえるようにしましょう。

仕事においては、いつも自分が望んだ通りの結果が出るとは限りません。しかし、仕事の結果は、必ずしも白OR黒ではありません。少なくとも、自分でBATNAとして設定した結果を得るよう、工夫と努力をしてみましょう
たとえ鈴木さんが「新しい契約を取る」というベストの結果を得られなかったとしても、BATNAの結果は得られたとなれば、次の仕事に繋がりますし、自分の能力に自信が持てます。

オール・オア・ナッシングではなく、これができないとだめだという視野が狭い目的ではなく、BATNAで自分にとっての仕事の成果のレンジを広げてみましょう

※University of Michigan, George Siedel教授の「Successful negotiation」を参考にしています。

 

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