オフィス・ライトハウス
ポジティブ心理学実践ワーク
レジリエンス

レジリエンスを鍛えてストレス・マネジメント⑨ 未来を心配する気持ちをコントロールする

「未来の」仕事に関するストレスの元、アンティシぺイション・ストレッサーへの対処法として、心配を生んでいる物事の捉え直しをして、自分の気持ちをコントロールする方法があります。

自分の不安・心配の元をはっきりさせる

正体がわからない事に対して漠然とした不安を抱いている状態では対処できませんので、まず自分の心配や不安を引き起こしている物事をはっきりさせましょう。前回「自分に質問する」方法を紹介しましたが、加えて自分の気持ちをはっきりさせるために目を閉じ静かに呼吸を繰り返し、心を落ち着ける方法もあります。マインドフルネスになる、あるいはマインドフル瞑想と言いますが、自分の気持ちをなだらかにして、自分が一体何を心配して不安に思っているのか見極めましょう。
マインドフルネスになる方法については「マインドフルネスになって、頭と心をスッキリさせてみましょう」「マインドフルネス状態になるための具体的な方法とは?」で紹介していますので参考にしてみて下さい。

マインドフルネスになって、頭と心をスッキリさせてみましょうポジティブ心理学...
マインドフルネス状態になるための具体的な方法とは?ポジティブ心理学...

思考のトラップに陥っていないかチェックする

自分が何を心配しているのかわかったら、その心配や不安が自分の思い込みや勘違いから生まれていないかチェックしましょう。自分の思い込みや勘違いは「思考のトラップ」から生まれます。人間は誰でも事実とは異なる思い込みに陥りやすいのです。これが「思考のトラップ」です。

「思考のトラップ」については「レジリエンスを使って自分を変えていく方法⑤ 自分が陥りやすい「思考のトラップ」を見つけましょう。」で詳しく紹介しています。アンティシぺイション・ストレッサーになりやすい「思考のトラップ」は「Catastrophizing カタストロファイジング 深刻化する」です。カタストロファイジングは、悩みや問題をずっと考え続けて反芻し、非現実的な最悪の事態を想像してパニックになります。自分の想像が、現実を超えて、心配を増幅させる針小棒大の考え方です。
自分が問題を大げさに捉えていないか、事実をきちんと理解しているか、考えてみましょう。

レジリエンスを使って自分を変えていく方法⑤ 自分が陥りやすい「思考のトラップ」を見つけましょう。レジリエンスを使って自分を変えていく方法...

そして、その問題に対して自分ができることがあるかないかを考えます。自分ができる事があるなら行動に移し、自分ができる事がないなら心配してもしょうがないがないので、自分ができる事だけにフォーカスするようにします。

例えば、新しい契約が取れるかどうか不安でストレスを感じている場合、いくら不安がってもそれで契約が取れるわけではないので、契約を取るために自分ができること(企画書を作る、顧客へこまめに連絡する等)に集中します。

一方、自分の勤めている会社が自分が定年になる30年後まで存続するだろうかと不安になっても、若手社員の一人である自分の力でコントロールできることではありません。社会構造の変化を自分がコントロールできるわけでもありません。ですから定年まで会社がもたなかったらどうしようという心配は自分のコントロールできる範囲の外と考えて放っておきましょう。もし、それでも不安がぬぐえないのなら、たとえ会社が合併されたり、消失しても、自分が生き残れるだけのスキルを今から養う方にエネルギーを注ぎましょう。

ポジティブ・リフレーミングする

アンティシぺイション・ストレッサーになっている心配や不安な状況を捉え直すもう一つの方法は「ポジティブ・リフレーミング」です。心配や不安な状況をちょっと外側から見てみて、「こういう風に言い換えられないか?」「こういう意味もあるのではないか?」「こういう見方もあるのではないか?」と、シチュエーションの捉え直しをしてみます。

ポジティブ・リフレーミングのポイントは

  • 他の選択肢があると確信して探すこと
  • 視野を広げること
  • 自分の役に立つことは何かを考えること

です。

例えば厳しい上司の下で働いていて、難しい仕事ばかり依頼されるし注意される事も多くて自分はこの上司からダメな社員と思われチームからクビになるのではないかと心配しているとします。
「厳しい上司」「難しい仕事の依頼」「よく注意される」という状況をポジティブにリフレーミングすれば・・・

  • 厳しい上司→有能で仕事を学べる上司
  • 難しい仕事の依頼→難しい仕事を任されている自分。能力を磨ける。
  • よく注意される→厳しい上司から自分の直すべき点を教えてもらっている。自分の今後に役立つ。

となります。
こう捉えれば、この状況は大きなストレスを生み出すものにならないでしょう。

ポジティブ・リフレーミングについては「エモーション・マネジメント⑧ ポジティブ・リフレーミング」でも説明していますので参考にしてみて下さい。

エモーション・マネジメント⑧ ポジティブ・リフレーミングエモーション・マネジメント...

※Macquarie University 「Build personal resilience」の講義を参考にしています。

レジリエンスを鍛えてストレス・マネジメント⑧ 未来を心配するストレスからどう自分を守るかストレスマネジメント...

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