生きていく上で、気分が落ち込み、自分自身に失望したり、自己嫌悪に陥ることは誰にでもあります。落ち込みと人生はセットといってもよいくらいです。
落ち込むこと自体は避けられないとしても、落ち込みから立ち直る方法を身に着けていけば、ダメージを小さくすることができますし、立ち直りも早くなります。回復力を鍛えていくのです。
このシリーズでは、Sue Varma氏の著書『 Practical Optimism: The Art, Science, and Practice of Exceptional Well-Being』を参考に、落ち込みから立ち直る方法を紹介していきましょう。
6つめの方法は5つのワードに要注意です。
失敗や批判を受けて、「私ってだめだなあ・・・」と落ち込む。落ち込むと、だんだん思考が暗い穴の底に落ちていくように「私ってだめだなあ」感が重力を増していくことがあります。そういう時は、たいていの場合、考え過ぎであり、不必要なほど自分を責めています。
自分の考えの中に、次の5つのワードが出てきたら要注意です。
- Always:いつも。どんな時も。
- Never:絶対~ない。決して~ない。
- Forever:永遠に。ずっと。
- Must:~でなくてはならない。
- Should:~すべきだ。
たとえば、
- Always:私はいつも失敗する。
- Never:私はこれからも成功することがないのだ。
- Forever:私はずっと昇進できない。
- Must:私はミス一つせず完璧でなくてはならない。
- Should:私は他の部署に異動すべきだ。
このようなワードが考えに出てきたら、心理学でいうところの「認知のゆがみ」という症状が出ています。視野が狭くなり、オーバーに物事を捉え、現実をそのまま認識することが難しくなっています。
失敗をして自分を責めて落ち込むことは誰にでもあることですが。その落ち込み方が全否定に近いような状態になったら要注意です。5つのワードが思考に入ってきたら、「認知のゆがみ」に陥っている!と気づきましょう。
5つのワードが思考に入り込んできたら。その思考に対して「証拠はあるのか?」と確認してみます。よくわからない場合は、情報をもっと得るようにします。自分の思考を否定する証拠やデータが見つかれば、自分が「認知のゆがみ」に陥っていることに気づき、自分が考え過ぎ、落ち込みすぎ、自分を責めすぎだと認識できます。
- Always:私はいつも失敗する。→先週は失敗しなかった。「いつも失敗」は言いすぎだ。
- Never:私はこれからも成功することがないのだ。→先はわからない。
- Forever:私はずっと昇進できない。→まだ務めて2年目だからそう思うには早すぎる。
- Must:私はミス一つせず完璧でなくてはならない。→完璧は無理かも。そこまで完璧でなくてもいいのでは。
- Should:私は他の部署に異動すべきだ。→本当に他の部署のほうがいいのか、他部署の同僚に聞いてみよう。
このように、自分の思考に対して反論できる、あるいは否定する証拠やデータを見つけられるなら、その思考は「認知のゆがみ」だと認識しましょう。
「認知にゆがみ」に自分は陥っていたのだとわかったら、次は「じゃあ、どうする?」です。
「何か自分にできることはあるのか?」を考えます。「同じ失敗をしないためにどうしたらよいのか?」を考えます。
そこまで来れば、失敗への対処法を考えて実行するアクションに移っていけますので、落ち込みのループから抜けだすことができます。
具体的にどのようなアクションが有効なのか、次回で説明していきましょう。