生きていく上で、気分が落ち込み、自分自身に失望したり、自己嫌悪に陥ることは誰にでもあります。落ち込みと人生はセットといってもよいくらいです。
落ち込むこと自体は避けられないとしても、落ち込みから立ち直る方法を身に着けていけば、ダメージを小さくすることができますし、立ち直りも早くなります。回復力を鍛えていくのです。
このシリーズでは、Sue Varma氏の著書『 Practical Optimism: The Art, Science, and Practice of Exceptional Well-Being』を参考に、落ち込みから立ち直る方法を紹介していきましょう。
18個めの方法は、XYZ話法を使って人との衝突を避けることです。
私達が落ち込む原因の多くが、人間関係によります。
人からきついことを言われた、傷つくことを言われたという場合もありますが。
私達が相手にひどいことを言ってしまって、それが原因で自己嫌悪に陥り、落ち込むこともあります。相手との関係が悪化し、気まずくなり、ますます落ち込むということになります。
人間関係で多少の波風が立つのは当たり前のことで、よくあることです。
しかし、できれば自分発で相手との関係を悪化させることは避けたいものです。自分が落ち込む頻度を減らすためにも。
そこで、相手に腹を立てたり、怒りを感じたりして、一言いってやりたい!文句を言わなければ気が済まない!という時に、感情のままキツイ言葉をぶちまけるのではなく、XYZ話法で表現してみましょう。
- Xという状況で
- あなたがYをした時
- 私はZだと感じた
このXYZに言葉を当てはめて、相手に伝えましょう。
例えば、仕事の締切日を守らなかった後輩に対して。
「なぜ、締切くらい守れないの!?」と大声をあげるのではなく。
- チームにとって大事なプレゼンテーションが迫っているという状況で
- あなたが資料作成の締切日を守らなかった時
- 私はプレゼンが失敗するのではと不安を感じた。
相手は、自分の行動によって、仕事にどのような影響を与えてしまったか、理解しやすくなります。
あるいは、食べた後のお皿は自分で洗っておいてと頼んだにもかかわらず、配偶者がキッチンのシンクにお皿を置きっぱなしにしているのを見て、残業で疲れて帰宅したあなたが怒りを感じたとします。
「どうして、お皿くらい洗えないのよ?いつも注意しているでしょ!?」とわめく前に。
- 残業で疲れて帰ってきて
- あなたが汚れたお皿をキッチンに出しっぱなしにしているのを見た時
- 私は疲労感が倍増したように感じた
相手は大したことではないと思っていたのかもしれませんが、汚れたお皿を片づけないでおくことが、あなたに疲労感を与えてしまうと理解することになります。
相手に、あなたがどのようなシチュエーションでどう感じるのかを言葉でわかりやすく説明してわかってもらうのです。相手は意外と、あなたがどのような点にいらいらするのか、失望するのか、わかっていない場合が多いのです。
XYZ話法で、シンプルに明確に、相手にあなたの気持ちを伝えましょう。
相手を責めるというよりも、あなたの気持ちを理解してもらうのです。
不毛な口論や、売り言葉や買い言葉を避けることもできます。
人間関係の衝突によって落ち込む回数を減らすためにも、ネガティブな感情を感じた時こそ、相手にXYZ話法で話しましょう。
繰り返しているうちに、相手も、こういう時、こういうことをするとあなたが傷つく、立腹する、ということを理解するようになっていきます。