自分と人生を変える信念には、「根拠」と「方法論」があるものであり、行動を伴うものでなければならない。ショーン・エイカー氏は『The Power of Beliefs』の中でそう主張しています。エイカー氏が持つべき7つの信念として紹介している信念を一つずつ検証してきましょう。
4つ目は「I have something to give. 私は他者に与えられる何かがある」です。
多くの人は「私には〇〇が足りない」「〇〇を十分持っていない」とNot enough(十分ではない)と感じています。
〇〇は時間とお金の場合が多いですが、友人や洋服の場合もあるでしょう。
常日頃「〇〇が足りない」「〇〇がない」と思っている人で世の中溢れています。
しかし、ずっと「〇〇が十分でない」と思っていると、脳が「脅威にさらされている」と認識してしまいます。危機的状況に置かれているので生存するための対応を取らなくてはいけないと脳が認識し、私達の心身をサバイバルモードに変えます。「脅威を乗り越えて生存すること」を第一優先にするような考え方や行動を取るようになるのです。
脳がサバイバルモードに切り替わると、長期的な計画が立てられなくなり、短期的に物事を捉える、衝動に基づいて行動する、問題解決能力が衰えるなど、様々なデメリットを私達にもたらします。視野が狭くなり、選択肢が見えなくなり、目先の利益にしか目がいかなくなるのです。
自然災害などに遭遇して本当に生存の危機にある場合は、サバイバルモードの脳になり、生存することを最優先で何の問題もありませんが、通常の日々の中で、脳をいつもサバイバルモードにしておくと、私達のウェルビーイングは侵害されてしまいます。
「私は〇〇が足りない」と思うことは、この脳のサバイバルモードに繋がってしまうのです。
では、どうしたら脳のサバイバルモード化から抜け出せるでしょうか?
その方法が「私は他者に与えられる何かがある」と思うことです。
無理やり「私は〇〇を十分持っている」と思おうとしても、実際お金や時間が足りていなければ、自分を偽ることはできません。しかし、〇〇が足りていないとしても、自分が誰かに与える何かを持っていると思うことは可能です。
お金が不足していると思っている人も、落ち込んでいる友人の話を聞いてあげることはできる。
時間が足りないと思っている人も、職場の同僚に励ましの一言をメールすることはできる。
〇〇が足りていない状況であっても、自分が誰かのために何かを与えることができないか考えて実行してみましょう。
相変わらず時間やお金が足りない状況にいるとしても、誰かのために何かを与えることによって、脳はサバイバルモードから抜け出します。脳が脅威を感じることが減り、オキシトシンという脳内物質を分泌してリラックスできます。こうなると、ストレスは低下しますし、社会や周囲の人々への信頼が増します。すると、視野が広がり、結果的に問題を解決するための方法を思いついたり、新しい方法を発見したりするのです。
〇〇が足りないと思い続けることで、自分の脳をサバイバルモードにし続けることを避けましょう。
でも、そんなことを言っても実際時間が足りないと思う人は、SNSに使っている時間を計測してみて下さい。エイカー氏の本には、現代のアメリカ人は一日2時間23分をSNSに使っているという調査結果が出ています。日本人も同じような状況ではないでしょうか。2時間23分のSNSの時間を他の目的のために使えばいろいろなことができます。
- 悲しんでいる友人に温かいココアを淹れてあげる。
- 子供の話をじっくり聞いてあげる。
- 職場の後輩の資料作りを手伝ってあげる。
- カフェにいった時に店員さんにおはようと笑顔で挨拶をする。
そんな小さな行動でも、相手にとっては、大切なものをあなたからもらったと感じるかもしれないのです。
「〇〇が足りない」モードではなく、「〇〇が足りないにしても、私には誰かに与えるものがある」という思考に変えていきましょう。
※Shawn Achor著『The Power of Belief: How Strengthening Sven Core Beliefs Predicts Greater Success and Better Life』(Crown Currency)を参考にしています。







