自分と人生を変える信念には、「根拠」と「方法論」があるものであり、行動を伴うものでなければならない。ショーン・エイカー氏は『The Power of Beliefs』の中でそう主張しています。エイカー氏が持つべき7つの信念として紹介している信念を一つずつ検証してきましょう。
3つ目は「I matter. 私の存在は意味がある」です。
自分の存在に意味があると信じるためには、エイカー氏は
- Important(重要性)
- Attention(注意・関心)
- Dependent(頼られる)
- Appreciation(感謝)
の4点が重要だと主張しています。
Important(重要性)
自分の存在が重要だと思うことは、職場で感じやすいです。職場で上司や同僚、顧客に自分の仕事が評価されれば、自分は職場で役に立っている、自分の存在は意味があると信じられます。ですから、職場でのフィードバックは大変重要です。部下を持つ立場の人は部下に仕事についてのフィードバックを必ず返すようにしましょう。
その際、できれば定量的な証拠を示すとより有効です。
たとえば、
- Aさんの経費見直しのおかげで、コストが20%も下がった。
- Bさんがプレゼンテーション資料を完璧に作ってくれたので、契約獲得率が20%アップした。
- Cさんが顧客からの電話に丁寧に応じてくれるので、顧客からほめられて、商談のアポが以前よりも取りやすくなり、前年度よりも顧客との商談の機会が3割増えた。
など、数値で「〇〇さんの存在は意味がある」ということを相手に示すと、相手は自分はこの職場において必要とされている、役立っている、意味があるとダイレクトに感じられます。
Attention(注意・関心)
自分が相手から関心を寄せられる存在である、注意を向けられる存在であると感じることも、「自分の存在は意味がある」と信じる根拠になります。
ところが、自分が相手から注意や関心を向けられる存在であると感じることを妨害するツールが現代社会には存在します。スマートフォンです。常にスマートフォンを持っていて、時間さえあればスマホの画面を見ているという人が多くなっています。
職場で話しかけられた時、あるいは友人同士で会話している時、あるいは家族の誰かに話しかけられている時、スマートフォンを見ていませんか?相手の話を聞いていはいるけれど、目はスマートフォンの画面に向けられていて、相手への注意は半分程度しか向けてないということはありませんか?
このような態度は、「あなたという存在は私にとって大して重要ではない」というメッセージを相手に発信することになります。
また、逆にあなたがそういう態度を取られたら「私はこの人にとって重要ではない」と感じるでしょう。
相手と話している時は、スマートフォンは横に置きましょう。顔を相手に向けましょう。全ての注意を相手に向けましょう。そうすることで、相手は「私はこの人にとって意味がある存在だ」と感じることができます。その逆もまた真です。
Dependent(頼られる)
職場や家族、学校で、誰かがあなたを頼りにしている。あまりにも頼りすぎというのも問題ですが、人から相談を持ち掛けられる、助言を求められる、助けを頼まれる。このように人から頼られることは、「私の存在は意味がある」という信念にダイレクトに繋がります。
また、人でなくてもよいのです。犬や猫などのペット、あるいは世話をする植物があるだけでも、「私の存在は意味がある」と感じることができます。
アメリカで行われた調査では、犬を飼育している人は心臓病による死亡のリスクが31%も下がるそうです。
高齢者の介護施設で、植物の世話を頼まれた人は、そうでない人に比べて、ウェルビーイングな状態が大きく改善したという調査結果もあります。
頼られるということは、孤独感を減少することにも繋がります。
ペットを飼える環境ではないという人は、植物を育ててみるのも一つの方法です。
Appreciation(感謝)
人から感謝されることは、オキシトシンやセロトニンのような脳内神経物質を出し、ウェルビーイングや人への信頼感をアップさせます。
しかし、私達は感謝を言葉に表さないことがあります。日本人は特に、親しい関係間だと「言わなくてもわかる」と思いこむ傾向がありますが、感謝の気持ちは、言葉と態度で表すようにしましょう。
「ありがとう。〇〇のおかげで今日を乗り切れた」
「ありがとう。〇〇がいたから心強かった」
など、「ありがとう」の気持ちを言葉で伝えましょう。
自分自身も「ありがとう」と言われると、心地よいはずです。
職場でも、「ありがとう」と感謝を同僚に伝えましょう。
あるいは自分の現在の境遇に感謝しましょう。夜寝る前に、感謝すること3つを思い浮かべたり、書き出すことも有効です。ポジティブ心理学ではこのGratitude(グラティチュード)の習慣を強く推奨しています。自分にはありがたいと思うことがある。その思いが「自分の存在は意味がある」という信念に繋がります。
自分なんて意味がない。自分の存在なんてちっぽけだ。自分がいてもいなくても世の中は変わらない。
そんな風に思いこむことは、自己否定や鬱、自暴自棄な行動に繋がります。
自分の存在は意味があるということを4つのポイントから、認識しましょう。
そして、他の人にも「その人の存在は意味がある」と思ってもらえるよう、自分が相手に対してできる行動を取っていきましょう。
※Shawn Achor著『The Power of Belief: How Strengthening Sven Core Beliefs Predicts Greater Success and Better Life』(Crown Currency)を参考にしています。







