心理学博士のJenny Taitz氏はその著作『Stress Resets: How to Soothe Your Body and Mind in Minutes』(ストレス・リセット:あなたの体と心を数分で穏やかにする方法)の中で、ストレスにすぐ対処するストレス・リセットの方法を紹介していますが、加えて、少し時間をかけて繰り返し練習することでストレス耐性を強めるストレス・バッファーの構築する方法も紹介しています。
今回はlaugh more! 「もっと笑うための工夫をする」です。
スタンフォード大学教授のジェニファー・エイカー博士の調査によると、私達の脳は「これを追求しよう」と考えたものに意識が向かうようにできているそうです。つまり、私達が、「こちらに意識を向ける」と決めさえすれば脳を操れるということです。これを笑いに応用します。意識して笑う機会を増やすことで、脳に「私は今笑いたい状態にいる」「笑うほど楽しい状態にいる」と思い込ませるのです、たとえ、実際には笑いたいような状態にいなかったとしても。
笑うこと、ユーモアのセンスを持つことは、私達のレジリエンスを高め、周囲との繋がりを強めます。寿命を延ばすことにさえ繋がります。血圧を下げる、心拍数を下げる、ストレスホルモン(アドレナリンやコルチゾール)の分泌を減らすなどの効果があるからです。
では、どのように笑う機会を増やせばよいでしょうか?以下の行動を試してみて下さい。
- 毎日、笑顔になる3つの事、物を思い浮かべる。
- 自分の周囲で、面白いと思う事、物、シーンを探す。
- 笑っている人を周囲で見つけ、その仲間に入る。
- 一緒にいると笑顔になれる人を思い浮かべる。
- コメディドラマを見る。
- 自分の欠点や苦境をお笑いにして表現してみる。
特に「自分の欠点や苦境をお笑いにして表現してみる」は、ユーモアのセンスが求められます。自虐的になるのではなく、面白おかしく自分の欠点を受け入れ、笑い飛ばせるようになることは、レジリエンスの強化に繋がります。
このスキルを磨くためにお勧めなのが、コメディドラマを見ることです。イギリスやアメリカには聴衆の笑い声が入ったコメディドラマがたくさんあります。ネットフリックスなどのオンライン配信で、たくさんのコメディドラマが配信されていますので見てみましょう。
笑いたくない気分の時も、あえて、無理やりにでも笑い、自分の欠点や苦境をユーモアで表現して笑い飛ばす。
これこそ、ストレス・バッファーを強化する効果的な方法です。
また、ハーフスマイルを浮かべる方法も試してみて下さい。

※Jenny Taitzの著作『Stress Resets: How to Soothe Your Body and Mind in Minutes』を参考にしています