オフィス・ライトハウス
ポジティブ心理学実践ワーク
ストレスマネジメント

ストレス・バッファー⑮ 毎朝ベッドを整える

心理学博士のJenny Taitz氏はその著作『Stress Resets: How to Soothe Your Body and Mind in Minutes』(ストレス・リセット:あなたの体と心を数分で穏やかにする方法)の中で、ストレスにすぐ対処するストレス・リセットの方法を紹介していますが、加えて、少し時間をかけて繰り返し練習することでストレス耐性を強めるストレス・バッファーの構築する方法も紹介しています。
今回は「Make your bed」、「ベッドを整える」です。

充実した一日を送りたいと思う時、ポジティブな感情を持ちたい時、まず、朝起きたらベッドを整えましょう。
そう言われると、「え?ベッドを整えることがなぜそれほど重要なのか?」と疑問に思うかもしれません。しかし、朝ベッドをきちんと整えることが、人生の充実感ややる気に影響することは実証済なのです。

テキサス大学教授であり、元アメリカ海軍提督のWilliam H. McRaven氏はその著書『Make Your Bed: Small things that can change your life… and maybe the world』の中で、「世界を変えたいと思うなら、自分のベッドを毎朝整えることから始めない」と推奨しています。

McRaven氏も、海軍に入ったばかりの頃、自分のベッドを毎朝きちんと整え上司の点検を受けることから始めたのですが、それが一体何の意味があるのかと疑問だったそうです。しかし、そのうちに、この小さな、一見つまらないように見える作業が、自分に尊厳、そして小さな達成感を与えることに気づいたのでした。シーツを伸ばし四隅をきちんと整え、ブランケットはきちんと四角く畳んで、枕はきっちり真ん中に置く。この作業を毎朝行うことで、自分に自信を持てるようになるのです。小さな作業ですが、完璧にこなすことで、自分の能力を肯定できるのでした。

実際、68000人を対象に調査をしたところ、毎朝ベッドを整えた人の71%が人生に幸福感を感じると回答し、ベッドを整えない人の62%が不幸だと感じているという結果が出ています。

McRaven氏は「The little things in life matter」(人生におけるささいなことこそ重要である)と述べています。小さな事ができないなら、大きな事もできないのだと。

そして、こうも付け加えています。
「もしどうしようもなくみじめな一日を過ごして家に帰ったとしても、朝自分がきちんと整えたベッドを見れば、励ましになり、明日への活力が沸いてくる」と。

朝起きたら、ベッドをきちんと整えること。もし、今日一日が失敗や嫌な事ばかりだったとしても、少なくとも、一個、自分は達成したことがある。きちんと整えたベッドがそれを証明している。そう思うことで、自分に自信を持てます。

毎朝ベッドを整えるという小さな作業、でも、大きなインパクトを人生に及ぼしていく作業を、朝の日課に加えてみましょう。

※Jenny Taitzの著作『Stress Resets: How to Soothe Your Body and Mind in Minutes』を参考にしています。

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