オフィス・ライトハウス
ポジティブ心理学実践ワーク
ストレスマネジメント

ストレス・バッファー⑱ ずっと避けてきた問題に取りかかる

心理学博士のJenny Taitz氏はその著作『Stress Resets: How to Soothe Your Body and Mind in Minutes』(ストレス・リセット:あなたの体と心を数分で穏やかにする方法)の中で、ストレスにすぐ対処するストレス・リセットの方法を紹介していますが、加えて、少し時間をかけて繰り返し練習することでストレス耐性を強めるストレス・バッファーの構築する方法も紹介しています。
今回はずっと避けてきたことにとりかかりましょう
問題だと思ってはいるけれど、ずっと見て見ぬふりをしてきたこと。
やらなければいけないと分かっているけれど、取りかかるのをずっと先延ばしにしていること。
人生の中に1つや2つはあると思います。
嫌なこと、面倒そうなこと、他人とのトラブルを生みそうなこと、難しそうなこと。
いろいろなことを先延ばしにして、それでも、まあまあ、毎日を暮らしていけるのですが。
避け続けていることが、ずっとあなたの頭や心に存在していてリラックスできないのではないでしょうか。先送りしていることが気になって、避けようとしているのに、かえってずっとそのことを考えて気持ちが晴れない・・・という事態になっていないでしょうか。
これからの人生、ずっとその重苦しい荷物を持ち続けるよりも、以下の方法で片づけてしまいましょう。

  1. まず、ずっと避け続けてきた問題、先送りしてきた問題を、紙にすべて書き出します
  2. 次に、難易度を1~3のランクでつけていきます。難易度が小さいことが1、難易度が大きいことが3です。
  3. 難易度が小さいこと、つまりランク1のことを1つ選びます
  4. タイマーをセットして30分だけ取りくみます。30分が長いと感じるなら、10分から始めます。タイマーが鳴ったら、そこでやめます。時間内に終了しなければ、改めて、タイマーをセットして再開するか、翌日に再びタイマーをセットとしてとりかかります。
  5. 難易度が小さいことは、やってみれば30分もあれば終わるようなことが多いです。終わってみれば、なぜ、こんなに長い間先送りしてきたのだろう?と思うようなことが多いものです。そう感じたら、その気持ちを記録しておきましょう。
    タスク名、難易度ランク、対処した日時、終わった感想を記録しておくと、もっと難易度が高いことにも取り組みやすくなります。
    難易度1のタスクは、汚れた窓や壁、換気扇、ボタンが取れた洋服、整理していない書類などがあります。
  6. 難易度が2や3のことは、30分で終わらない、あるいは複数の作業が必要ということが多いと思います。その場合は、処理するための手順を紙に書き出して、1個づつ終わらせましょう。
  7. タイマーをセットするといいでしょう。
  8. 終わらせていく過程で記録を取りましょう。
    タスク名、難易度ランク、対処策①、➁、➂・・・、それぞれの対処した日時、それぞれを終わった感想を記録します。
    1個づつ対処策を終わらせていくことで、着実にタスクの達成に近づいていることを、視覚的に自分にわからせます。
    難易度が2や3のことには、家の断捨離、家族との軋轢、資産管理、大物家具の処分などがあります。

10年も放置していたベランダのゴミを片づけ始めたら1時間で終わった、家族とずっと対立していた実家の処理を、1カ月かけて少しづつ話し合い合意したなど、難しいと思えた問題も、目をそむけていた問題も、小さな段階に分けて、取りかかることで、意外とスムーズに解決できるものです。

何より、問題を見て見ぬふりをして避け続けてきた自分から脱却し、自分は問題に対し対処できる能力がある、過去の先送りばかりの自分を変えることができるという、自信に繋がります。
そして、記録を読み返せば、自分が問題と向き合い解決してきた過程が確認でき、自己効力感を高められます。

問題を先送りする、避け続けることは、あなたのストレスを軽減するどころか、実は増大させていくことになります。本当はあなたには問題を解決する能力もチャンスもあるかもしれないのに、それを捨てることになります。
これまでずっと避け続けてきた問題と向き合い、処理することこそ、実はストレスを減らすことになるのです。

※Jenny Taitzの著作『Stress Resets: How to Soothe Your Body and Mind in Minutes』を参考にしています。

 

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