生きていく上で、気分が落ち込み、自分自身に失望したり、自己嫌悪に陥ることは誰にでもあります。落ち込みと人生はセットといってもよいくらいです。
落ち込むこと自体は避けられないとしても、落ち込みから立ち直る方法を身に着けていけば、ダメージを小さくすることができますし、立ち直りも早くなります。回復力を鍛えていくのです。
このシリーズでは、Sue Varma氏の著書『 Practical Optimism: The Art, Science, and Practice of Exceptional Well-Being』を参考に、落ち込みから立ち直る方法を紹介していきましょう。
8つめの方法はreasess リアセスです。
リアセスを日本語にすると、再評価、再検証が一番近い意味でしょう。事態を改めて理解してみることです。
落ち込んでいる時は、正確な状況把握ができないことが多いのです。
自己否定や自己嫌悪など、自分ばかり責めてしまったり、小さな失敗なのに過大に捉えて絶望してしまったり。事態をオーバーに捉えている場合がよくあります。
そこで、何が起こったのか、なぜ自分が落ち込んでいるのか、状況を正確に把握してみましょう。それがリアセスです。
リアセスの方法は
- When:いつ
- Where:どこで
- What:何が
- How:どうなったか
- Why:なぜか
の5つの質問に対する答えを考えることです。できれば文字に書き出した方が、より冷静に事態を理解できます。
たとえばAさんは昇進に必要な資格試験を受験しましたが不合格でした。自分には能力がないのだ、もう昇進の道は閉ざされてしまったと落ち込みます。なかなか立ち直れません。仕事にもやる気がでません。
そこで落ち込んだ状態をリアセスしてみましょう。
- When:先週金曜日
- Where:職場で
- What:昇進に必要な資格試験を
- How:不合格になった
- Why:自分が無能で昇進のチャンスがなくなったから
5つのポイントで自分が落ち込んだ状態を書き出すことで、事態を客観的に見ることが可能になります。
書き出したことの中で、「NOT NOW」(今回はダメだった、永遠にダメなわけではない)と言えることはありますか?
ダメな結果、拒否された、不十分だった・・・そういう事態でも「NOT NOW」と言える事態があれば、絶望する必要はありません。
たまたま今はダメだっただけで、まだチャンスはある、いつかはオーケーになるかもしれないのです。
Aさんの場合、昇進に必要な資格試験に落ちましたが、これはまさに「NOT NOW」の事態です。今回は不合格でしたが、永遠に不合格と決まっているわけではありません。
「NOT NOW」のことが見つかったら、それを叶える、変えるために自分ができることを考えます。
次回試験に合格するために、勉強時間を増やすとか、参考書を変えてみるとか、合格している先輩に合格のコツを聞いてみるなど、自分ができることを考えて実行してみます。
行動に移す段階になれば、Aさんは落ち込みから回復しているでしょう。
ダメだった過去に落ち込んでいるよりも、自分がこれからできることにフォーカスが移っているはずです。
リアセスは、状況を客観的に理解しながら、自分の視点を、落ち込んでいる気持ちから、「ではどうしたらよいのか?」という問題解決の方に向けてくれます。
ネガティブな感情で心が埋まっていると、なかなか問題解決なんて考えられませんから、リアセスで小休止を取り、自分の関心を「自分がこれからできること」に向けていきましょう。