生きていく上で、気分が落ち込み、自分自身に失望したり、自己嫌悪に陥ることは誰にでもあります。落ち込みと人生はセットといってもよいくらいです。
落ち込むこと自体は避けられないとしても、落ち込みから立ち直る方法を身に着けていけば、ダメージを小さくすることができますし、立ち直りも早くなります。回復力を鍛えていくのです。
このシリーズでは、Sue Varma氏の著書『 Practical Optimism: The Art, Science, and Practice of Exceptional Well-Being』を参考に、落ち込みから立ち直る方法を紹介していきましょう。
14個めの方法は習慣定着ルールを知ることです。
根付かせたいと思っている習慣があっても、途中でやめたり、諦めたりして、自分はだめだなあと落ち込むことはありませんか?
- 定期的に運動するようにしたい。
- お菓子の食べ過ぎをやめたい。
- 毎日英語の勉強をしたい。
など、「こうしたい」と思っていることがあっても、なかなか習慣として根付かず、自己嫌悪に陥いる・・・。そういう場合、「やる気」や「意志」に頼っても、だめな場合が多いのです。
新しい習慣を定着させるためには、
- やりたいことをよりやりやすくする。
- やめたいことをやりにくくする。
- 0か100で考えない。
この3つが重要です。
やりたいことをやりやすくする。
例えば定期的に運動するようにしたいと思っているとします。まず朝30分ウォーキングをする習慣を身に着けたいと思うとしましょう。そうしたら、朝、ウォーキングしやすいよう前日から準備しておきます。
- ウォーキング用の服をベッド脇に置いておく。
- ウォーキングシューズを玄関に出しておく。
- ウォーキング中に聞く音楽をスマホにダウンロードしておく。
このように、新しい習慣を始めやすい準備をしておくのです。
やめたいことをやりにくくする。
例えばお菓子の食べ過ぎをやめたいとします。お菓子が家の目に見える所にあれば、どうしても食べたくなります。お菓子を食べにくい環境を作りましょう。
- 家の中にお菓子を置かない。
- 職場でもお菓子を置かない。
- お菓子のCMは見ない。
- お菓子の代わりに果物の籠をキッチンに置いておく。
- 買い物に行く時にお菓子売り場に寄らない。
このようにお菓子を食べたいと思っても、簡単に手に取れないように環境を整えていくのです。手にするためのハードルが高ければ高いほど、人間は諦めがちですから。
0か100で考えない。
朝ウォーキングする習慣を身に着けようとしたのに、昨日はさぼってしまった。
お菓子を食べないようにしようと思ったのに、昨日は同僚からお菓子を貰って食べてしまった。
もうだめだ・・・と思わないことです。
1回や2回つまづいても、続けることを諦めないことが大事です。1回だめだったらもうすべてがだめだ、と思わずに、また再開すればよいのです。
- 何回か怠けてしまったけれど、朝ウォーキングを週4回はできた。
- お菓子を食べてしまったけれど、量は制限できた。
少しでも進歩していれば、それでよしとします。0か100かで、結果を考えないことです。
身に着けたい習慣、やめたい習慣があるならば、この3つの習慣定着ルールを使って、少しづつトライしていきましょう。
途中で中止したり、だめになっても、もうやめようと思わずに、再開してみましょう。
これまでは全然だめだったのですから、
××××××××
の状態が
×××〇××〇×
になっただけでも進歩なのです。
〇〇〇〇〇〇〇〇
とならなくても
×××〇××〇×が
〇××〇××〇×
になったら、それは立派な前進です。
よい習慣はすぐには身につきませんし、悪い習慣はすぐにはなくせません。
100点でなくてもよいので、0スコアにならない。30点でも50点でも、続けることに、習慣定着のポイントがあります。