「Old is bad」歳を取ることは悪いこと。
そう思いがちですよね。あるいは大量の広告や情報で、私達はそう思い込まされています。アンチエンジング産業は巨大な利益を生む急拡大事業になっています。私達はそれらの企業の宣伝に踊らされているかもしれません。
歳を取ることがただ下り坂を降りていくようなものと考えるか(Decline mindset ディクライン・マインドセット)、それとも成長が継続すると考えるか(Growth mindset グロース・マインドセット)。
2つのマインドセット(心の在り様)によって、老年の人生は大きく違ってきます。
ディクライン・マインドセットの場合、歳を取るにつれすべてが悪化していき、死に至ると考えます。そして、多くの老年の人々はこう考えているという現実があります。
常に「Old is bad」(年を取ることは悪いこと)というメッセージを、社会や周囲から受け続けてきたのです。
WHOの調査によると、世界の630万人のうつ病の要因が歳を取ることに起因するそうです。
一方、イエール大学の調査によれば、年を取ることを惨めなものと考えずに成長が続くと考える人、グロース・マインドセットの人は、ディクライン・マインドセットの人よりも7.5年長く生きたそうです。また、グロース・マインドセットの人は、ディクライン・マインドセットの人よりも、身体的にも、心理的にも、18年間長く、よい状態で生きたそうです。
グロース・マインドセットは、ライフスパンだけでなく、ヘルススパンやジョイスパンにも影響を与えるということなのです。
グロース・マインドセットな人は、歳を取ることを
- 自分なりに進歩、成長していく期間である
- 年を取ることで失う物や向き合わなければならない課題が出てくるけれど、それを困難や落胆と捉えずに、挑戦し、自分を強くする機会である
と捉える傾向があります。
歳を取るにしたがって、自分自身や自分を取り巻く状況が変わってきます。
- 視力が落ちた。
- 膝が悪くなり歩くのが苦痛になった。
- パートナーに先立たれ一人になった。
- 持病を抱え定期的な通院が必要になった。
- 仕事を退職し家にずっといるようになった。
- 会社を退職し、社会的な肩書や役割がなくなった。
- 物覚えが悪くなった。
このような変化は、加齢と共に誰もが遭遇します。新しい状況、これまでと違う状況、ニュー・ノーマルに直面することになります。
そのニュー・ノーマルに適応し、課題を克服する方法をみつけたり、新しい人生の楽しみ方を見つけることはできる。何歳になっても。
そう考えることが老年期におけるグロース・マインドセットです。
I am still growing now. (私は今も成長し続けている)
と言えるかどうか。
Life is a series of chapters. (人生は複数の章で成り立っている)
と、人生を捉えられるかどうか。
世間にはOld is badというコンセプトが溢れています。アンチエイジングを謳ったサプリメントや化粧品が氾濫し、若さとしなやかさこそ尊いものとしています。Ageismエイジイズムという年齢主義が社会を覆っています。歳を取ることは悪いこと、醜いこと、避けるべきことという、一種の差別概念です。
このようなエイジズムにさらされ続けた私達は、歳を取ることを恐れ、歳を取るごとに否定的な気持ちになり、やる気を失っていきがちです。
しかし、どう時間に抗おうと、私達は生物として歳を取っていくのです。
自分がエイジイズムという偏見に浸食されていないか、チェックしてみましょう。
60歳、あるいは70歳、80歳の、人生の節目となるような誕生日を迎えた時、あなたはどう感じますか?
- ああ嫌だ!そんな年になるなんて憂鬱だ。
- 嫌だけど、まあ仕方ない。
- 節目の誕生日をお祝いしよう。
① か➁を選ぶ人が多いのではないでしょうか。それはエイジイズムに支配されているということです。➂を選べるように、グロース・マインドセットにシフトしてきましょう。
具体的にどうするかという方法を次回以降ご紹介していきます。







