自分と人生を変える信念には、「根拠」と「方法論」があるものであり、行動を伴うものでなければならない。ショーン・エイカー氏は『The Power of Beliefs』の中でそう主張しています。エイカー氏が持つべき7つの信念として紹介している信念を一つずつ検証してきましょう。
二つ目は「I am grateful. 私は感謝している」です。
- 今の自分、あるいは自分が置かれている今の状況を感謝できるか?
- すべてが満足だというわけにはなかなかいかないでしょうが、感謝できる点を見出せるか?
これが「私は感謝している」と感じられるか否かのポイントです。
エイカー氏の『The Power of Beliefs』によると、「私は感謝している」「感謝を感じることがある」そう思える人を調査した結果、
- 免疫機能の改善
- 痛みへの耐性の強化
- 命に係わる重大な疾患にかかるリスクを9%減らす
が確認できたそうです。
またハーバード大学の調査によると、感謝を感じることが多い人は、金銭について賢明な判断をする傾向にあり、結果的に裕福になることを確認しています。
そして、ポジティブ心理学の第一者、マーティン・セリグマン博士のチームの調査では、
感謝する気持ちを増やすことで、長期にわたる幸福感が10%も増えることが確認されました。
感謝を感じる人が人生を充実させる、幸福感を持つということは多くの調査結果が裏付けています。
一方で、近年、「私は感謝している」と感じられる人が少なくなっているそうです。その大きな要因がFOMO(Fear of Missing out)と呼ばれる現象です。FOMOはSNS病の一つで、以前このブログでも説明しました。
楽しいことやチャンスに自分だけ取り残されているのではないかという不安のことです。SNSにおいては自分だけ最新の情報をゲットしていないのではないか、情報を見逃していないかと焦燥感に駆られて、SNSをずっと見続けてしまう状態をいいます。
2023年の調査では、FOMOが実際に私達の脳の構造を変えていることが判明しました。FOMOの症状が強い人の脳皮質は薄くなり、脳の報酬システムを書き直していることがわかったのです。
このような脳の変質を経験する人は、更にSNS中毒になる、大酒を飲む、ギャンブル狂になる、車の危険運転をする、不眠あるいは睡眠不足という傾向が顕著になるそうです。
こうなれば、私達の人生の軌道を大きく変えていくことになります。
FOMOは、他人との比較感を煽ります。そして「自分は十分でない」という自己否定に陥りやすいのです。自分の周りに本当は感謝すべきこと、素晴らしいことが存在していたとしても、認識できなくなります。これをpositivity blindness(ポジティビティ・ブラインドネス)と言います。
また、 FOMOに負われると、「いま、ここ」ではなく、常に未来か、過去の出来事を考えているので、自分の現時点の状況を正確に把握できなくなります。常に、今ここではないどこか、自分を願ってしまいます。
感謝する気持ちを養う一番効果的な方法論は、まずはFOMOの症状をなくすこと。そのためにSNSの時間を減らすことです。
SNSを完全に排除するのは現代社会においてなかなか難しいでしょう。一日10分~15分減らしてみましょう。
たとえ10~15分という短い時間であっても、自分で意識してSNSの時間を減らす行動を取ることで、SNSとの接触方法を考えることになります。そして、その10~15分の時間を、自分が感謝すること、ありがたいと思うことがあるかどうかを考える時間に使ってみましょう。
何もない・・・と思うかもしれませんが、意外とあるものです。
たとえば、日本人であれば、日本が現在戦争をしていないことだけでも、ありがたいと思うことでしょう。
また、住む所がある、好きな仕事かどうかは別にしてお給料を得ることができている、あるいは愚痴を聞いてくれる友達や家族がいる、現在病気を患っていない、などなど、感謝することは結構あるのです。
FOMOに追われる自分から、感謝することを見つけられる自分へ。
少しずつでいいので、変わっていきましょう。
感謝については「感謝の習慣化」も参考にしてみて下さい。
※Shawn Achor著『The Power of Belief: How Strengthening Sven Core Beliefs Predicts Greater Success and Better Life』(Crown Currency)を参考にしています。







